昨年の秋、学校の芸術鑑賞の時間にフェニックスプラザの会場でレ・ミゼラブルを見ました。普段は全くテレビを見ないので、舞台は上映時間が長く、最後まで見ていられるか心配でした。舞台は小さい頃に何回か連れて行ってもたったことはあるらしいのですが、私は全く覚えていないので新鮮な気持ちで見ました。私の座席は一番前の真ん中よりで、とても良い席でした。レ・ミゼラブルの話は読んだこともなく、今も内容を詳しく理解は出来ていません。しかし、私は不幸や苦しみが描かれた作品はあまり好みではなく読んでこなかったので、舞台を見終ったあとすごく衝撃を受けました。登場人物の全員が不幸になって苦しみに悩む姿が描かれていて心が震えました。
私だったら、例えば革命軍が勝つ結末にしたり、最後は全員が幸せになれるような展開にしていたと思います。また、見ていておもしろいコメディ系のお話もいいなと思いました。
最近私はグレース・ケリーさんの伝記を読みました。ケリーさんは、芝居が好きで舞台女優を目指してニューヨークの演劇学校に通っていました。演劇学校を一回卒業して映画に出演しましたがケリー自身が実力が足りないと感じ、もう一度、演劇の学校に通い直しました。その後、数々の映画に出演して大成功しました。彼女の原点は舞台から始まっていて、舞台から映画やテレビに移り変わっていったけれど、舞台は魅力的なものだと思いました。また、サラ・ベルナールさんの伝記も読みました。ケリーさんより前の時代に活躍した舞台女優さんで、自らの劇団を設立しヨーロッパ全土、アメリカなどを巡業して成功をおさめ、世界初の国際的なスターとして輝きを放ち続けました。
私は音楽を聴いたり、絵を描くことが好きだけれど、あの時舞台を見たときにすごく引き込まれて、舞台は不思議だと感じました。昔のグレース・ケリーさんの時代は舞台が当り前で新しく登場したテレビや映画の方がすごく魅力的だったと思います。しかし、テレビや映画以外にスマホなどの電子機器が普及している現代に生きている私にとっては、画面を通さずにその瞬間を体験する舞台は今の時代にはあまり経験することのなくなった貴重なことだと感じました。また、舞台にはテレビや映画のようにセットがなく役者さんの歌声や表現力でその登場人物の感情やその場面を表現していて、昔の時代の人は日常的にこのような舞台を見ていたと考えるとすごく贅沢な娯楽だと思いました。
今はコロナ禍で、中々県外や、劇場に行けない状況が続いているけれど、機会があれば進んで舞台を劇場まで見に行ければいいなと思いました。これから先の時代、舞台からテレビや映画、スマホに変わっていったようにどんなものに移り変わっていくのか楽しみです。