「お願いします。」「ありがとうございました。」僕は整列の一番はしか球場のホームベースに一番近いところでこのような声を響かせる。なぜなら僕は野球のクラブチーム、福井永平寺リトルシニアの主将だからである。普段から集合や整列などの号令をかけるのはもちろん、監督に練習メニューを聞きに行ったり、試合で先攻後攻を決める重要なジャンケンをしたりなどとキャプテンのすることはたくさんある。そんな、人をまとめる「リーダー」について考えてみたいと思う。
僕がキャプテンに任命されたのは、六年生で練習生のときだった。正直、僕はそのときとまどっていた。なぜなら、僕がこんな伝統のあるチームのキャプテンに任命されると思ってもいなかったからだ。でも、任命されたからには「やってやる」そんな気持ちで燃えていた。
そして、一年生のときの八月に一年生大会が行われた。この大会は一年生のみが出場することができるため、二・三年生のキャプテンがいない。つまり僕がチームを引っ張らないといけなかったのだ。重いプレッシャーがのしかかっていた。大会では個人でもチームでもミスは出たが、優勝することができた。小学校の野球チームでもキャプテンをしていたが、この大会で試合のプレーという自分のことと、チームのムードをつくるなどのチームのことをどちらも大事にしないといけないのが改めて大変に思った。
そして月日は経って今年の七月、僕たちの代になって、もう一度キャプテンを決めた。僕はキャプテンから外されてしまった。監督からは、
「一度、チームのことを何も考えず、個人のことに集中してほしい。」
と言われた。そうは言われたが、自分の何かが足りなかったから外されたと思う。悔しかった。でも気持ちを切り替えて、自分を見直して再び練習した。このときもリーダの重要さを再認識した。
十月、監督はチームを初期の体制に戻すと言った。僕はキャプテンに復帰した。ホッとした気持ちもあったが、気がさらに引きしまって強い覚悟を持った。直後の秋季大会では全国出場を決めることができた。春の全国でも役割をしっかり果たしたい。
僕は現在、学校で生徒会長である。生徒会長は学校を動かす立場だ。去年の書記長のときは、先輩についていくので精いっぱいで、先輩がいろいろ進行してくださった。しかし今年は、去年生徒会に入っていて、動きを知っている僕が、学校や生徒会メンバーを引っ張らないといけない。僕は生徒会で行事などの準備や段取りを大切にして、計画的に進めていきたい。
このような経験から、人をまとめる「リーダー」は、容易な覚悟ではできない、非常に難しい立場ということを改めて痛感した。まとめる力をつけるにはどんどんその舞台に立って、慣れないといけないと思う。リーダーの発言や行動にはそれなりの責任がある。一つ一つのことに覚悟を持って全力で取り組まなければならない。この経験ができる人もそう多くはない。この経験ができていることに感謝して、日々を過ごしていきたいと思う。また、誇りをもって代表の自覚を持ち、野球、学校生活ともにがんばっていく。