ほとんどの人が感じる、「悔しい」という気持ち。自分の限界を感じて、相手に負けてなど、いろいろあると思います。でも私は、これまであまり悔しいと思ったことはありません。よく友達が「悔しい〜」と言っているのを聞きますが、よく分かりませんでした。そりゃあ多少は悔しいと思うことはありますが、それは言葉だけで、心から思うことはありませんでした。テストの点数が悪かったときは、悔しいというより悲しかったし、スイミングスクールで友達が先に進級しても、「すごいね!私も次は絶対受かる!」などくらいにしか思いませんでした。また、私は大体のことを仕方ないという言葉で収めていました。もしかしたら、そう思うことしかなかったのかもしれません。
だからまず、「悔しい」という感情について分析してみようと思いました。私が考える「悔しい」とは、自分の思いが叶わず、腹立たしい、感情だと思います。腹立たしく思う感情は自分に対して向けることが多いのではないかと考えました。これに似た言葉に、「うらめしい」という、おばけのお決まりの言葉があります。この二つの言葉の違いは、悔しいは、主に自分の能力の不足だけをなげきますが、「うらめしい」は、自分のことをたなに上げて、強く他人のせいにしていることだと思います。
このように、心の底から「悔しい」と思うことがなかった私ですが、最近、死ぬほど、大泣きするほど悔しいと思うことがありました。
私は一年半前からピアノを習っていて、今回が初めての発表会でした。しかし、コロナウイルスのことなどで自しゅく期間と発表会の日がかぶり、出られなくなってしまったのです。すると、ピアノの先生が、「観客ゼロ人の状態なら弾いてもいいよ。」と言ってくれて、一度会場で弾けることになりました。観客が家族以外いないとはいえ、失敗したらどうしようという気持ちが大きくなっていき、いつもは間違えないところをたくさんミスをしてしまいました。演奏後、先生や家族は「上手かったよ。」と言ってくれましたが、帰りの車の中で、どうしようもない感情がこみ上げてきて、生まれて初めて「死にたくなるほどの悔しさ」を味わいました。たくさん失敗してしまった自分が許せなくて、「仕方ない」という言葉では割り切れない感情でした。これが「悔しい」という感情だと理解できました。
私は、「悔しさ」を味わい、大切だと思ったことは、悔しいを悔しいままで終わらせないことだと思います。その悔しさをバネに、向上していきたいです。もっと練習して、来年の発表会ではこんな気持ちにならないようにしたいです。この出来事を通して、少しだけ人間的に成長できたと思いました。今、私はピアノの発表が終わったので、新しい曲を始めています。今まで、十分練習できていると思っていたけど、それでは足りていなかっと分かりました。なので、毎日一回はピアノに触るようにして、曲の練習ばかりではなく基礎練習もしっかりやることにしました。先日、サッカーのワールドカップが行なわれ、日本がクロアチアに敗北したとき、選手の人達はすごく悔しそうに涙を流しているのを見ました。これまで死ぬ程努力してきたからだろうなと思いました。私も、ピアノにかぎらず、勉強や部活なども、悔しいと思えるくらい努力したいです。