「魚の大ぐんがいるよ。ひろ人、早くこい。 すごいぞ、百ぴきい上いるぞ。」
夏休み、家ぞくで三国のいその海に行った時のことです。とってもつめたくて、はじめは足をつけるのがやっとだった海の水に体がだんだんなれてきて、お父さんとふかいところを目ざしていました。その時、お父さんが魚の大ぐんをみつけたのです。
「わあ、すごい。」
赤ちゃんアジの大ぐんでした。こんなにすごい大ぐんを見たのははじめてです。キラキラひかっていて、まるで、ゆめみたいでした。つかまえようと手をのばしてみたけれど、赤ちゃんアジはあっという間に岩かげにすいこまれていきました。本当にあっという間のできごとでした。
手をのばせばとどきそうなところに大ぐんが見えていたので、すこしざんねんな気もちになったけれど、いその海にはほかにもたくさんの海の生きものたちがいました。海タナゴの大ぐんもいました。赤ちゃんアジはつかまえられなかったけれど、海タナゴは、はさみうち作せんで、かんたんにたくさんつかまえられました。メバルとつぼにいたタコもつかまえて、合計二十ぴきはつかまえたと思います。
家に帰ってメバルはしおやきに、タコはゆでることにしました。メバルはにおいがよくて、ほかほかしていました。タコは、生きたまましおもみをしました。きっとタコは、
「しみるよー。」
と言っていたと思います。ゆではじめると、はだ色だったタコがみるみるまっ赤になっていったのにはびっくりしました。おゆがあついからかな、と思いました。
いその海に行って、およいだり魚をつかまえたりして、はじめてのことがたくさんあってとてもいい思い出になりました。