「水筒、ハンカチ、はなかみ、検温カード、マスク」
と、私は毎回学校へ行く前に、心の中で言いながら準備をしています。忘れ物がないように確認するためです。
新型コロナウイルスが流行る前は、検温カードやマスクは必要ありませんでした。しかし今は、検温カードやマスクは必需品です。持っていくのを忘れると、玄関で先生にチェックされてしまいます。体育の授業と給食、そして吹奏楽部で練習するとき以外はずっとマスクをして過ごしています。
学校だけではありません。買い物へ行くときや、友達と遊びにいくときもマスクが当たり前になりました。お店に入るときには、手の消毒やカメラ付きの体温計の前で、一度立ち止まらなければなりません。マスクは、夏は暑くて息苦しいけれど、みんな頑張って感染予防のために我慢しています。一人一人しっかり感染予防することが、今求められていることだと思います。
テレビをつけると、病院、医師、看護師の姿が映し出されています。私は今、人を助ける仕事と言ってもたくさんありますが、特に看護師という仕事に興味をもっています。興味をもったきっかけは、小学校三年生の時です。祖父が急に倒れて救急車で運ばれ、入院しました。私は後日母と病院へ行きました。その病院にいた看護師さんたちが患者さんたちに優しく、でもテキパキと働いていてかっこいいと思ったのを今でもはっきりと覚えています。私が不安そうにドアの前で立っていると、
「おじいちゃん大丈夫だよ。」
と声をかけながらドアを開けてくれました。別の看護師さんは、
「おじいちゃんに顔を見せてあげて、きっと喜ぶよ。」
と言って私の背中を押してくれました。私は祖父の姿を見てほっとしたけれど、いろいろな管がつながれていて怖くなりました。
「これ、大丈夫なやつなの?。」
と私は、管を指さしながら母に聞きました。すると、それを聞いた看護師さんは私に向かって
「安全なものだから、大丈夫。」
と答えてくれました。
看護師さんは祖父に管をつけ直したり、注射をしたり、話しかけたりしていました。私に話しかけてくれたときの目は優しかったけれど、祖父に管をつけ直すときの目は真剣で、私も一緒に緊張してしまいました。見ていると、やることがいっぱいあって忙しいはずなのに、あせらず正確にやりとげる姿がきらきらと光って見えました。その時、私も看護師になって優しくてかっこいい人になりたいと思いました。
コロナ禍で戦っている医療従事者の姿を毎日のようにテレビで見かけます。それを見た母は、
「ウイルスに直接触れる仕事って、大変だよね。」
と、言っていました。それを聞いて私は、言いました。
「毎日戦っている医療従事者の方々って、本当にすごい。」
と。現在、医療従事者がいないと人々は今以上にどんどん亡くなっていくと思います。逆に医療従事者が多くなると救える命は増えるはずです。私もそんな医療従事者の一員になれるように頑張ろうと思いました。毎日、マスクをして生活していく中でそのような気持ちが強まりました。