「無理」
体育の授業中、私はそんな声をあげた。今度は側転をして、
「絶対、無理」
私は少しできないところがあったり、失敗したりすると「無理」と口ぐせで言ってしまう。体育の授業以外でも、ピアノ教室でうまくできなくて、
「無理、できない。」
まず、口をついて出るのはこの言葉。言っちゃだめと思ってもついその言葉を言ってしまってなかなか直せない。
ピアノ教室で無理と言っていたら先生に、「無理、無理言っていると本当にできなくな るよ。逆にできると言った方が、できるよ うになるよ。」
と、言だまのことを教えてもらった。教えてもらった後から私は「無理」と言わないよう気をつけた。なにかをやる前は「私はできる。できる。」と小さく言ってからやった。でも、けっきょくできなくて「無理」と自然に言葉がでてきてしまう。
私はこんな自分がいやだ。何かをする前「できないと思うよ。」など前に保険をつけたり「無理」と言ったりして自分を守っている。私の親友は、「私、強いで。」や、「できるから。」と自信もってやって、それで失敗しても笑って「次はできるから。」と言ってまたやっている。私はすごいと思った。私もそんなふうに自信をもってやりたいなと思う。
私は失敗したくない。失敗すると何か思われないかと思ったり、できない自分がいやでくやしくなったりするから。
「失敗は成功のもと!とにかくやってみよう!。」
これは私のクラスの学級目標だ。文字どおり、失敗は成功のもとだから何でも挑戦してみよう、という意味の目標。私はこの目標に決まったとき、自分にぴったりの目標だと思った。今まで、失敗はよくないこと、失敗したらだめだと思っていて、自分の限界を決めて、新しいことをやってみようとしなかった。でもこの目標は、「失敗してもいいからとにかくやってみよう。」と、私の「無理、無理」言っている気持ちを少しふきとばしてくれた。おかげで私は、小さいことだけど自分からこれやると言ってやってみたり、できないと言ってはじめからやっていなかった運動やちょっとした勝負もやってみたりすることができた。また、失敗しても大丈夫と少し気が楽になってすることができた。
まだ、できないことがあるとつい「無理」と言ってしまうけど、「失敗は成功のもと!とにかくやってみよう!。」という言葉を心にきざんでいろいろ挑戦していきたい。 明日も体育の授業がある。だけど、どんなに苦手なことでも「無理」と言わず「できる」と言ってやりきりたい。